『発想法』川喜田二郎(中公新書)

KJ法を付け焼刃する必要があって(結局利用しなくて済んだが)読んでみた。ありがちな日本文化論とか「科学」への期待だとか時代を感じる。自分の「発見」を文明的な一大事業であるかのように語る使命感は、善意かもしれないけどかなり誇大。しかし、KJ法自体はそれなりに有益だと思う。私自身は某教授のKJ法実習を教わり損ねたけれど、この本に書かれているような技法は部分的に既に利用している。たとえばある程度まとまった原稿を書こうとするときには、とりあえず紙に書きたい内容を全て吐き出して、それを関係付けながら構造化する。緩い一人KJ法と言えなくもない。そういうわけで、もう少し自覚的にこの方法を活用してみてもいいかなと思った。信者になる気は全然ないが。