『縦並び社会』毎日新聞社会部(毎日新聞社)

二年前の本だが、今更胸に沁みる良書。「縦並び社会」というネーミングはそれほど良いとは思わないが、新聞社だけあって幅広く事例を追いかけていて説得力がある。規制再強化や累進課税強化などの話をするとき、公正さの問題を議論することが不可避になりがちだが、そもそも賃金や収入の高低を決める根拠自体が大いなる謎ではないか。そういうことを問いかけてくる本だと私には思えた。