市川崑監督『犬神家の一族』

2006年の方。CSでやっていて、偶然この前原作を読んだばかりだったので、せっかくだからと観た。しかし2時間もかじりついて見るような代物ではなく、時間がもったいなかった。1976年の方を見てないので比較してどうこう言うことはできないが(ガッカリしている人多数)、まず1947年の設定なのに深田恭子の化粧やら旅館のスリッパやら湖のモーターボートやら、時代考証を真面目にする気がない模様。絶世の美人役は誰だろうと期待していたが、松嶋菜々子の普通の人っぷり。石坂浩二武田鉄矢にしか見えず(笑)。見所は、深田恭子の太い悲鳴、奥菜恵のぶっ倒れ方くらいのものか。脚本も、原作の厄介な部分をシンプルにしたのは良いとしても、返り血とか逆にリアリティを損なっている場面もある。細かい設定を変えてる割には、前半部分は忠実で説明的。何がしたかったのか結局わからない。どうせなら全部現代劇にしてしまえば良かったのに。つまりお金をかけた学芸会。角川映画らしいのかな?!