『魔術はささやく』宮部みゆき（新潮文庫）

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宮部みゆき
新潮社
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風呂読書。確かに意外な展開ではある。しかし「魔術」の内容はちょっと厳しいかな。それに人間のつながり方も強引さを感じる。つまり、設定や「トリック」よりも人間ドラマの方が中心ではないか。特に前半の嫌な気分にさせてくれる人間の感情の描き方はさすが（こんな話が続くようなら途中で本を閉じようかとも思った）。ささやかなスキルが役に立つのも小気味良い（ただ現代では少し厳しいが）。ハッピーエンドなら何でもいいとは思わないけど、昔はラストが悲惨であるのはよい事だと思っていたが、今はフィクションに希望を求める気持ちがわかるように思う。