『売られ続ける日本、買い漁るアメリカ』本山美彦(ビジネス社)

風呂読書。アメリカが日本を「買い漁る」という大枠はそうなのかとは思うが、アメリカでそういう「策略」を練っている人脈がちゃんと解明されているわけでもなく、そうした動きの背景が歴史的に分析されているわけでもなく、一方で日本政府の「弱腰」の理由である日米関係の歴史的癒着構造が明らかにされるわけでもなく、小泉政権以降の利権構造が暴かれるというほどでもない。あちこち話が書き散らかされていて、タイトルの主張が雰囲気で醸し出されているだけのように思えて、残念。花粉症までアメリカのせいにするのは時間的に整合しない。これを読むと、岩波新書の方はよほど編集者が頑張ったのではないかと思える。