『生活保障』宮本太郎(岩波新書)

生活保障 排除しない社会へ (岩波新書)
宮本 太郎
岩波書店
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社会保障+税制+雇用政策というのが「生活保障」。そりゃあ働ける人が働いた方が全体としては効率よいだろうけれど、現在の問題は職業訓練が足りないというより雇用自体が不足していることに起因しているのではないか(データを出せるわけではないが)。そもそもかつての労働力がそれほど「高品質」だったかというと、そんなこともないように思うわけで。国家運営にとっては有益な提言だとは思うが、生活する人の「幸せ」という点からすると、私にはBIの方が「ラディカル」に思える。とはいえ本書も良い本だと思ってますので、念のため。政府主導で非効率な産業をスクラップしていくというのは、「痛み」を防ぎながらであればあってもいいのかもしれないとは思った(しかしいまや現実的ではないということらしいが)。