『世代間連帯』上野千鶴子+辻元清美(岩波新書)

世代間連帯 (岩波新書)
上野 千鶴子 辻元 清美
岩波書店
売り上げランキング: 130175
もう少し緩い対談かと思ったら意外に情報量があって、対談以上共著未満という感じになっている。辻元清美が離党を発表した直後で、別にそういう理由で読み始めたわけではなかったが、辻元が案外(?)いろいろなことを考えていることがわかり、少し評価を見直した(だからといって支持できる離党だったかどうかはわからないが)。それに対して上野は、的外れなことを述べているわけではないにせよ、高等教育の無償化に反対したりと、辻元と比べると違和感を覚える主張がある。また適切な指摘なのかもしれないが、たとえば住宅問題もあと十年も経てば解消するかのような言い方は、あまりに「他人ごと」で、社会学者として妥当であっても、読む側からするとリアリティに欠ける(なぜなら「今」が問題なのだから)。総じて言うと、案外読み応えのある本だった。