『グローバリゼーション』正村俊之(有斐閣)

ウェストファリア体制を基礎においてグローバリゼーションを概説するというのは、まぁ骨太で整理のためにもいいかなと思って読み始めたものの、他人の議論のツギハギ感が強く、結局どの見解が一番妥当なのか、とか、それは今に始まったことじゃないのではないか、といった疑問が残る部分も多い。特に中盤でルーマンが出てくるのは、妥当性以前に、不要だと思った。ルーマンって、そこでその名を出さなくてもわかるのに、という使われ方が多い気がする。