『地域再生の罠』久繁哲之介(ちくま新書)

著者のスタンスには共感するし、提言もそれなりに有効だと思う。これまでの「町おこし」がなぜ効果がないのか、腑に落ちる。ただし、それらを導きだす議論が、事例が少なく、著者の一面的な感想のようにも見えてしまい、残念ながら説得性という点で失敗していると思う。統計データとかを適切に使えば、もっと力強い主張になっただろうに、もったいない。何かと「心」を強調するのも胡散臭く見えてしまう。言いたいことはわかるんだけど、もう少しましなキャッチフレーズは作れなかったんだろうか。