『比較近代史の論理』望田幸男(ミネルヴァ書房)

勉強になった。特にドイツ史の復習として。近代国家形成の日独比較の論理としてももちろん面白かったが、ドイツとの比較とはいえ日本を比較的一枚岩の存在として描くなど、いくつか留保したい点もある。日本資本主義論争や近代化論者の「明治維新」論への批判もわかりやすいが、講義向けの本でもあるため簡単にしか論じられていないのはちょっともったいない。文献参照も少なくやや物足りない。