『ココロコネクト ユメランダム』庵田定夏(ファミ通文庫)

七冊目。巻を重なるにつれ人間(関係)的に成長してしまう主人公に対して、作品としてはどう絆を崩すかが難しくなってくるわけだ。そこでこれというのは、なかなか上手ではあると思った。それまでの「ただひたすら前進」の解法を壊したことも、悪くない。ただ、意見対立の両方を支持できないので、読んでいてイライラしてくるのは否めない(笑)。しかも、選択の正しさだけでなく、「相談しない」ということ自体の問題はあえてスルーしているのも納得がいかなかった。しかし、自分の高校生活は楽しかったとは思うけど、修学旅行というか高校時代自体に何か過剰な思い入れをしたことはなかったなぁ。「青春を謳歌するぞ」みたいに意気込む若者(高校生)って、そんなにいるのだろうか。