『高校紛争 1969-1970』小林哲夫(中公新書)

高校ごとの事例紹介がなかなか面白く読みやすい。取材自体も丁寧にしているようで、良書だと思った。ただ「闘争」を「総括する」という観点では必ずしもないので、「高校紛争」からどういう教訓を汲むべきかというのは曖昧かもしれない(難しいことだとは思うが)。ちなみに私は高校時代に「送辞」「答辞」の起草委員会に参加したが(読み上げた人だったわけではない)、多少であってもその中に体制批判の文言を入れたり、もしくは入れようとした記憶は全然ない。自分ではそれなりに「サヨク」のつもりだっただが、やはり90年代の高校生は所詮はノンポリだったということなのだろう。