マイケル=ムーア監督『キャピタリズム――マネーは踊る』

これでドキュメンタリーは最後にすると言っているそうだが、確かにちょっと勢いに欠けた気がする。半ば以上知ってた話だということはあるにせよ、前半はかつてのスピード感が落ちてしまったように思う。キリスト教と資本主義とか、アメリ憲法と資本主義とか、以前からとはいえ「国内」向けの話もイマイチ。とはいえ、後半オバマが勝利して歓喜する人たちの姿を見て、不覚にも(?)泣いてしまった。企業の自主管理などが万能の解答ではないだろうけれど、そこには一つの希望がある。「A Love Story」というのはだから看板に偽りなし。なんでタイトルをそのまま翻訳しなかったのか謎。日本もある程度のチェンジの最中とはいえ、危機がアメリカほど極端ではなかったのか、抵抗の運動もあまり可視的でない。まだ進まなければいけないだろう。