『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』マーティン=ファクラー(双葉新書)

記者クラブ批判を中心にした日本のジャーナリズムの体制との癒着を批判する本。特別新しい知見があるというわけではないが、その分溜飲を下げることができる。「日本のメディアは扱ってない一方私は早い段階で書いた」という主張は、たぶんけっこう誇張が含まれていると思うけれど、記者クラブがしょうもない機能しか果たしてないのは事実だと思うので、上杉某を読むよりは頼りになるのではないだろうか。それと、確かに英米メディアの方が一面から「個性的」で、それに比べると日本の記事はいかにも「情報」という印象が強く、その違いは興味深いと思った。